極道姫と僕の物語
プロローグ
「――ふう、終わったわね……」
「そう、みたいですね……」
目の前には、一面の死体……ではないんだけど、若干死にかけた人達。
うん、若干僕の服にも血がついちゃってる。
あーあ、染みになっちゃうよ……。
「さあ、修也くん……帰りましょ?」
可憐に笑う、花澄先輩。
それはもう、見惚れちゃう程綺麗だ。
まぁ、周りはほぼ血の海と化しているんだけど……。
「…はい、わかりました」
そのまま、花澄先輩は風に長い髪をなびかせ、歩き始める。
「――じぁ、私達はここで。……また明日ね、修也くん」
「……また明日。お休みなさい、花澄先輩」
花澄先輩は、ふわりと笑って、部下を引き連れ、家に帰って行った。