極道姫と僕の物語
「……はい……?」
その言葉を理解するのに、随分と時間がかかった。
組長の娘…!?
え、じゃあ、「お嬢!」とか呼ばれたりとかしてるの?
「お嬢!何も喋ること…!」
あ。
「お嬢」って言った…。
本物だ、これは。
「あら、いいじゃない。私、気に入っちゃった。修也くんのこと」
「き……」
僕とスーツの人達が、同時に固まる。
「ねぇ、私とお友達になってくれない?」
「え、と、友達…?」
彼女の目が、キラキラと輝く。
「私、あまり友達がいなくて……」
あ、やっぱり……極道の娘だから?
「いいですよ」
いつの間にか、勝手に口が動いていた。