極道姫と僕の物語
「あ……修也くん!」
花澄先輩が、僕の姿を見て、こちらにおいで、と手招きをする。
食堂にいる人達が、一斉に僕を見る。
うん、これももう慣れたよ…。
「すいません、待たせてしまって…」
「あら、そんなこと気にしなくていいのに」
クスリと笑い、ある物を持ち上げる。
そう、お弁当だ。
花澄先輩お手製の、だ。
「修也さん、席とっておきました」
「ありがとうございます、山崎さん」
とても高校生とは思えない、背の高く体格のいい男の人が空いた席を指す。
この人は、3年生の山崎 しげるさん。
勿論、新田組の人だ。
護衛として、若干年齢を誤魔化して学校に入っている。