極道姫と僕の物語
「修也くん、早く食べましょ?」
「はい、そうですね。いただきます」
僕は手を合わせ、花澄先輩お手製の料理を頬張る。
うん、やっぱり美味しい。
「どう?美味しいかしら」
「勿論ですよ。いつ食べても、花澄先輩の料理は美味しいですよ」
「なら、よかった」
花澄先輩は、嬉しそうに笑う。
お世辞なしで、これは美味い。
僕はこの春から一人暮らしをしている。
理由は2つ。
1つは、やっぱり花澄先輩のせいである。
幹部になってしまい、夜遅くまで家に帰れない。
親に新田組の幹部になった、なんて言えない。
で、思いついたのが、一人暮らし。
そこで、2つめの理由も加わる。