極道姫と僕の物語


僕が役立たずだということ位、十分理解している。


でも、女性ながらに年上の男性を率いて頑張っている花澄先輩を見て、僕も何かしたかった。


花澄先輩に、すっかり魅せられてしまったのだ。


最初は勿論、ボロッボロになった。


その度に、花澄先輩は泣きそうな顔をして、僕の怪我の手当てをしてくれる。


そんな先輩の顔を見たくなくて、必死に強くなった。


その努力のおかげで今、花澄先輩の隣にいられるわけだ。


僕の成長振りは、花澄先輩も驚いていた。


「花澄先輩は、まったく悪くないです」


「でも……」


先輩は返答の仕方にたじろいていたが、あっ、と何か閃いたのか、晴れやかな顔つきになっている。


 
< 22 / 23 >

この作品をシェア

pagetop