極道姫と僕の物語
僕が役立たずだということ位、十分理解している。
でも、女性ながらに年上の男性を率いて頑張っている花澄先輩を見て、僕も何かしたかった。
花澄先輩に、すっかり魅せられてしまったのだ。
最初は勿論、ボロッボロになった。
その度に、花澄先輩は泣きそうな顔をして、僕の怪我の手当てをしてくれる。
そんな先輩の顔を見たくなくて、必死に強くなった。
その努力のおかげで今、花澄先輩の隣にいられるわけだ。
僕の成長振りは、花澄先輩も驚いていた。
「花澄先輩は、まったく悪くないです」
「でも……」
先輩は返答の仕方にたじろいていたが、あっ、と何か閃いたのか、晴れやかな顔つきになっている。