極道姫と僕の物語
それももう、この2ヶ月で慣れた。
「あら、もう着いちゃった」
そう、もう目の前には昇降口。
そりゃあまあ、徒歩20分のところから歩いているんだから、着くのは早い。
「じゃあ、また後でね、修也くん」
「あぁ、はい。また後で」
僕がそう言うと、花澄先輩はにっこりと笑う。
周りの男子、いや、女子もポーッと見惚れている。
僕も見惚れてしまうが、この笑みは3ヶ月ずっと見ていたので、耐性がついた。
今じゃ、普通に話せる。
「……食堂で、ですね」
「えぇ、そうよ。それじゃ」
花澄先輩は、僕に向かって手を振ると、そのまま先に校舎の中へと足を踏み入れた。
僕はそれを見届けてから、校舎に入る。