極道姫と僕の物語
「え……あ、はい…」
「そう……」
彼女は目を伏せて、俯いた。
あ、あれ…?
僕、何かした?
「どうしますか?」
スッと、彼女の後ろから、黒いスーツを着た男の人が数人現れた。
うわ、格好いい……。
「そうね……」
彼女は僕をジッと見つめ、何やら考えている。
彼女の声は、鈴のように凛としていて、思わず目を閉じそうになった。
それを遮ったのが、彼女だ。
「……貴方、名前は?」
「は?」
なんで、いきなり僕の名前?
ポカンとしながらも、反射的に答えていた。
「望月 修也です…」
「そう。修也くんね。私は氷室 花澄よ。よろしくね、修也くん」