極道姫と僕の物語
「あーよかった!なら、貴方……今日から私の部下ね?」
「…………はい?」
な、何言ってんだ?
この人……。
「いやぁねぇ。今の、見ちゃったんでしょ?」
今の?
ああ……僕の目の前に広がる血の海か……。
死んでないけど。
「はい……見ちゃいましたね…」
「だから、貴方が今見たものを他の人に喋らないように……私が見張ることにします」
……はぁ?
他の人に?
まさか。
もし言ったとしても、こんな綺麗な人が、こんなことをするとは思わないだろう。
それに、僕もようやく彼女がしでかしたことを理解してきたし。
要するに……彼女は地面に転がっている彼らを、後ろのスーツを着た人達と一緒にボコボコにしたのだ。