千夜を越えて
『おー!侍と町娘!一緒に写真撮って下さい。』
突然、前からやって来た外国人観光客の集団に声を掛けられる。
「えっ、何?!英語じゃないよね?」
「何語?!」
班員は軽いパニックを起こす。
まぁ、突然はビビるよね。
あたしは直ぐさま前に出る。
『わかりました。皆さん一緒で良いですか?』
『おぉ、あなたフランス語出来るんですね。助かった。皆一緒で良いです。』
『じゃあ、カメラはあたしが。』
『一緒に撮りましょうよ。』
『遠慮します。あたしカメラとか苦手なんで。』
と、あたしが観光客と会話するもんだから、班員はポカンと口を開けている。
「並んで。写真撮ってほしいって。」
皆に声を掛ける。
「咲夜っ!あんたホントに凄いね!今の何語?」
七海が言い寄って来た。
「フランス語。そんなたいしたことないよ。」
あたしはサラっと言った。