【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
「これでお前の能力の原因が分かっただろう。私はもちろん、そのことをすぐに知り、お前を監視していたんだ。」



「じゃあやっぱり、俺はヒノエさんのパートナーにされるのは必然的だったんですね。」



俺の導き出した答えに魔王は首を縦に振る。



「獣族の女王の戦闘力は他の種族より長けている。だから、何か理由を付けて人間界に逃げた罪人を始末させようと思ってな。」



魔王は涼しい顔で、小さい息子とは反対側の青年の片方を見る。



「息子の童貞など、奪ってくれて寧ろ良かったわ。しかし、まあおかげで奴を人間界へ派遣する理由は出来た。しかし、ヒノエ・ロア・ヴェルには欠点がある。」



魔王は視線を俺に戻し、扇子を俺に、びし、と指す。
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