【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
これで俺、少しはヒノエさんの役に立つことが出来る、のかな?



「最後に。楓、この先の戦いで、きっと心理戦になることがある。その時は…。」



魔王の瞳に再び鈍く光が点り、俺の背中には冷や汗が伝う。重たい。臓器が石になったように。



「楓、お前が戦うのだ。その力を駆使し、お前が。」



首筋にも汗が伝い、緊張で唾を飲み込む。その感覚でさえ重たい。



「分かりました。…俺が、俺にしか出来ないやり方で、必ずヒノエさんを助けます。」



その言葉を言うのが今の俺には精一杯。言った瞬間、気を失いそうな眩暈に見舞われた。
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