【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
パネルで過去を覗くのに、もう限界が来た。



俺は空間に戻り、ゼエゼエと息をする。



ユメトの狂気のせいで、俺まで狂いそうだ……!



『人間よ。我を見たか。そなたでは我には勝てぬ。いくら力を持っていようと、勝てぬのだ!ふはははは!』



俺の作り出した空間のはずなのに、白の世界が黒に汚される。



ユメトの力が、俺を上回り始めたんだ。



「負けない…!俺は、お前なんかに!お前みたいな自分勝手な奴には負けたりするもんか!」



精一杯の強がりを、俺は奥歯を噛み締めて、自我を保って言い放つ。
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