【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
光の空間が闇に堕ちたとき、俺に、声が届く。



「馬鹿…!勝手に戦って、負けてんじゃないわよ!」



誰の、声、だろう。どうしようもなく、守りたかった誰かの声。



「あんたを再起不能にしていいのは私だけなんだからっ!」



そんな理不尽な言葉でも、なんだか温かみを帯びている気がする。



「楓ちゃん!私はここにいる。あんたは一人じゃない。…私を、一人ぼっちにするな……!」



その声が、闇を稲妻のように切り裂く。



ああ、確かにそこにいる。ヒノエさん。守りたい人。
< 193 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop