【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜



強く閉じていた瞼を開くと、目の前であの幼児が苦しんでいた。



「何故だっ………!我が、人間などに負けるはずがない!」



目の前のものが、俺の空間でも奴の空間でもなく、現実世界だということを示している。



「勝ったのよ。楓ちゃんは、あいつの見せる闇に。」



隣にはヒノエさんがいて、穏やかトーンの言葉が帰って来た。



そのヒノエさんは、倒れそうな俺の身体を、確かに支えてくれていた。



俺は、この逞しい人に、温もりに、存在に、また助けられたんだ。
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