【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
「本当に泣き虫なんだから。」
記憶のパネルを全て見終わって戻って来た世界は、すでに再び時が進み始めていた。
「自分じゃないなにかのために泣けるのって、強いのかもね。」
ヒノエさんは切ないような、哀愁を帯びたような、そんな顔で笑う。
「私は自分のことにも泣けやしないのに。いっそ、楓ちゃんみたいに涙が流せたらいいのにね。」
そんなヒノエさんに、俺は言う。
「いいですよ。ヒノエさんは泣かなくても。変わりに、ここにいる間は俺が泣いてあげますから。」
精一杯強がってみたけどなんかカッコ悪いな。
記憶のパネルを全て見終わって戻って来た世界は、すでに再び時が進み始めていた。
「自分じゃないなにかのために泣けるのって、強いのかもね。」
ヒノエさんは切ないような、哀愁を帯びたような、そんな顔で笑う。
「私は自分のことにも泣けやしないのに。いっそ、楓ちゃんみたいに涙が流せたらいいのにね。」
そんなヒノエさんに、俺は言う。
「いいですよ。ヒノエさんは泣かなくても。変わりに、ここにいる間は俺が泣いてあげますから。」
精一杯強がってみたけどなんかカッコ悪いな。