【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
一通りマナーを見たヒノエさんは、俺を真似て食べ始める。



それはもう優雅に、普段の生活の堕落さなんて感じさせない動きで食べる。



「うん。味も美味いわ。獣族の村の誰よりも料理上手よ。」



ヒノエさんの口から魔界のことが出ることは珍しい。



そう思ってヒノエさんの食べる姿を眺めながら、ふと思い出す。



魔界に行った時、ヒノエさんが獣族の長にかなりの若さでなったということを。



そういえば…ヒノエさんのこと、俺は何一つ知らない。
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