【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜



「何コレ。量すっくな。……楓ちゃんの料理の方が口に合うわ。」



実際本物の高級フレンチを食べたヒノエさんは一言そう言った。



「何言ってるんですか!スッゴく高くて良いものなんですから、有り難くいただいて下さいよ。」



「こんなの無料じゃなきゃ食べないわよ。」



ちょ…周りに聞こえる声でなんてことを!



文句を言いながらも綺麗に食べるヒノエさんに苦笑いしながら俺も味を確かめる。



だけど、頭の片隅に決意したことが引っ掛かって、なんだか楽しく味わえない。



肉にナイフを入れるとサクッと柔らかい感触を感じた。
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