【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
しかし、なかなか俺は奴の記憶に潜り込めないでいた。



感じないんだ。憎悪を。



「君は憎しみから記憶を探る能力があるんだね、村瀬楓。だけど俺には適応外らしい。」



いつの間にか近づいてきたそいつは、俺の首を掴み、身体を持ち上げる。



「楓ちゃん!」



「厄介だ。君の存在は僕ばかりか、せっかくこの人間界でひっそり生きている魔界の者を脅かす。だから、死ねよ。」



冷酷な瞳が俺に突き刺さる。そして、息が通らなくなり、次第に苦しくなる。
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