【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
集中だ。集中。雑念なんか捨てないと一筋縄にはいかない相手だ。



そんな俺の頭の中に、魔王のあの威圧感が蘇る。



あの押し潰されそうになるのをなんとか踏ん張る感覚を思い出せば、もしかしたら…



そう思い、俺はその感覚で耳を澄ます。目をクロエに向ける。



『……っ……〜。』



聞こえる。ノイズに混じって何かが。



これは…歌、か?



もっともっと集中すると、その歌は、鮮明に俺の耳へ届く。



ずっと昔に聞いたことのあるような、外国の曲。



神聖で、美しく逞しい声。
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