【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
そして修道院の者を、住人を一瞥して、アリアを抱き抱え、夜の闇へと消えた。



クロエは思った。



人間ほど、醜い生き物はない、と。



他の異世界は、人間のように汚いものまみれでは生きていない。



こうして、綺麗な命ばかり、闇の中で途絶えて行く。



クロエのたどり着いた先はいつも二人で会っていた草原だった。



アリアを寝かせ、止血しようと自身のマントを破く。



しかし、アリアはその手を止めて、微笑みを携えた顔で首を振った。
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