【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
意識が朦朧としているアリアは、ぽつりぽつりと言う。



『お願い、クロエ。最後にキス、して。私ね、ゆめ、なの。世界で一番好きな人と、笑顔で初めての、キス。』



『ああ…最後なんて言うなよ!何度でもしよう!これからも二人で…!』



クロエはもう涙を堪えることも出来なくて、泣きながら、アリアの唇に口づけをした。



『クロエ…愛しています。』



アリアはそれはもう満足そうに、満面の笑みで言うと、眠るように動かなくなった。



『アリア…嫌だ、嫌だよ…!アリアああああ!』



クロエの悲痛な叫びが、俺の心にも亀裂を入れるような、そんな気がした。
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