【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
「ヒノエさん、その短剣で大怪我しない程度に俺のここ、切って下さい。」



「…分かったわ。」



俺にはこの方法しか思いつかなかった。ヒノエさんは表情で少し難色を示すが、渋々頷く。



だけど、こちらの動きに気付いたクロエがそうはさせない。



ヒノエさんは戦い、俺を庇いながらまず自分の右太股のマークを短剣で切る。



「…っ!楓ちゃん!短剣よりは、こっちがマシかもね!」



ヒノエさんは一瞬の隙をついて俺の右太股の同じ箇所に、その鋭く尖った爪で傷をつけた。
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