【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜

「キズキ…私がっ！」



ヒノエさんは言葉を詰まらせながら、物凄いスピードでキズキの懐へ飛び込む。



今までは自分を守りつつ急所を狙う戦い方だったヒノエさんが急に戦術を変え、驚くキズキの一瞬の隙をつき



ヒノエさんは、キズキの剣を持っている手目掛けて蹴りを入れた。



『ちっ…糞があああ！』



キズキと剣が離れた瞬間、キズキの声じゃない野太い声が響く。



「そう、魔剣だったの…！」



ヒノエさんはその声の元である、暗黒の剣を睨みつけた。