【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
当初の買い物という目的を忘れそうになるくらい、俺はこの青い薔薇を監査し続ける。



なんだろう…俺、何かに取り付かれたみたいだ。自分でも変だと分かるんだけど、この薔薇は人を魅了する何かがあるらしい。



これが、この薔薇の魔力によるものだと察する余裕なんか、俺にはなくて………



「……………がっ!」



後頭部から腰にかけて、強い電流が流れたような感覚になったかと思うと、意識が飛んで行く。



ああ………罠、だったんだ。



意識が完全に飛ぶ直前、俺は気味が悪いくらい冷静に、そんなことを思った。
< 43 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop