【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
そんな喜びの映像は砂嵐のように途切れ、次は赤い炎と青い薔薇の花びらに包まれた世界になる。



俺…というか、伊佐木は泣きながら狂ったように笑っていた。



左手に何かを握っている。それを、俺の意志とは関係なしに左手が持ち上げる。



それは……生首。苦痛に歪んだ、眼球から血の涙を流した女の人の生首。



伊佐木の中からは、意識が途切れる前に感じた、『怒り』と『悲しみ』の渦巻く感情が沸き上がっている。



痛い。痛い痛い。俺が壊れてしまいそうだ。
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