【完】肉食系上司様〜獣族の女王と獲物の俺〜
うちに帰ると、ヒノエさんは深刻な顔で、部屋に篭った。



同じ匂いがする……か。



俺の頭には、専務の奥さんの妖艶な笑顔が過ぎる。



「…っう!」



その笑顔が、一瞬砂嵐のようにザザザっと頭の中で途切れる。



それと同時に頭にキリキリと痛みが広がった。



なんだろう…風邪かな。



慣れないパーティーに参加したから、神経使ったのか、はたまた、あんなに人がいたから病原菌をもらってしまったのか。



俺は自分の体のことを考え、さっさとお風呂に入って寝ようと立ち上がった。
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