兎心の宝箱2【短編集】
生活費の大半はもとより、僕の売れない絵の為の画材代も君が稼いで来てくれた。
でも、スクスクと大きくなっていく美香を見ていて、日に日に疲れ果てていく君を見ていて、僕の気持ちはどうしようも無くなったんだ。
いつまでも夢を追いかけていてはいけないって、現実を見なきゃいけないって。
絵を描く事しかしてこなかった僕だけど、それでも朝から晩まで働けば、君と美香を食べさせていく事はできると思って。