兎心の宝箱2【短編集】
だから。キミの言う事も少しはわかるよ。でも物事には順番と言う物があると思うんだ。確かにキミの言うとおり早ければ早い程、お金は貯まるかもしれない。でも、やはりそれと同じくらい、いや、それ以上の確率で失敗するかもしれないんだ。そうなったらどうなる?キミと僕との中もおしまいかもしれない?えっ?そんな事はない?ありがとう。僕の愛も永遠さ。だからってやっぱりそんな簡単には決めれないよ。だいたいお金はどうするんだい?僕だって出来ることなら早い方が良いとは思うけど、今の貯蓄じゃどう考えても足りないだろ?土地も買わなきゃいけないし、建物も買わなきゃいけない。運転資金もばかにならない。それにローンを抱えるにしても少ない方がいいに決まってる。だからさ、もう少しお金を貯めてからにしようよ。えっ?初めたらすぐ貯まる?もう、だから何度も言ってるじゃないか!そんなに簡単な物じゃないって!えっ?親に借りればいい?もう!一体既にいくら借りてると思うんだ!向こう十年飲まず食わずでも返せるかどうか……。あっ、ごめん。泣かないで、キミが嫌いになった訳じゃないんだ。ごめん、一緒にどうしたらいいか考えようね。ほら、もうなかないで、愛してるよ。でもね、ほら、うちの親ももうお金かしてくれないと思うし、キミの親だってもう無理だろ?えっ?借りれるの?うん、うん。いや、それは違うだろ!もう会えなくなるかもしれないけどそれでもいいか?って!絶対それって親父さん……。他に何か言ってなかった?えっ一年たつから大丈夫?ダメダメー!ちょっと携帯貸して!もしもし!僕です!はい!はい!もう少し彼女と話し合いますから早まらないで下さい。えぇ、はい、大丈夫です。失礼します。ふぅ、とりあえずは一大事は避ける事はできた。ちょちょちょ、ちょっと!何で怒ってるの?イヤイヤイヤ、そりゃ止めるでしょ!無理だから!ああぁ、また泣かないで!大丈夫だからなんとかするから。えっ?何もまだ思いつかないけど。あぁ、ウソウソ!思いついた!大丈夫思いついたから!ええーっと。そうだ!年末の宝くじ当たったらしよう!うんそれがいい!そうしよう。え?当たらない?何でイキナリ現実的になんだよ!ていうかさっきからあんた何見てんだ?あんただよあんた!携帯だかPCだかわかんないけどモニター越しに見てんだろ?あぁ、もう!お前もうるさーい!だから無理だっていってるだろカイギョウは!