兎心の宝箱2【短編集】
「で、何の話だったっけ?」
「もう……、絵が売れてるみたいだねって言ったの!」
怒った時に頬を膨らます仕草もそっくりだ。
「あぁ、お陰様でね。やっと軌道に乗り始めたよ」
「今してる個展だって、人がいっぱい入ってたしね」
「良く知ってるね、まるで来てたみたいだ」
そう言って僕は頼んだコーヒーに口をつける。
かなり苦い、失敗したな……、暑いんだしたまにはアイスコーヒーにすれば良かった。