兎心の宝箱2【短編集】

「また彼女って言ってるー。名前で呼んだらいいのに」

「そうは言っても、今は他人だからね」

美香の目は、僕の顔をみて、悲しそうな……、それでいて決意を込めた眼差しへと変わる。

「あのさぁ、前から言おうと思ってたんだけど、お互いまだ好きなんだったらヨリ戻したらいいのに」

「僕はそうしたいけど、彼女の気持ちがわかんないし。もう10年もたつしね」

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