拝啓、




「はやちゃんっ」



そう呼ぶと
めんどくさそうに、
でも照れくさそうに
上を見上げる彼。



「待っててっ。」


散々待たせたくせに
そう言って教室を飛び出して
一気に階段を駆け抜けて
抱きついた。



「待っててくれたの??」


「そう。」


「めんどいのに??」


「...そう。」


少し顔を背ける彼の顔が
珍しく紅いから、
私は少しいじめたくなった。


「なんで??」


にやにやがとまらない。



はやちゃんが
こっちをちらっとむく。


< 50 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop