幼なじみは年の差7歳【完全版】
「どこも怪我してない?」
「う、うん…大丈夫…」
一体何が起きたのか、よくわからなかった。
多分良明が男たちを殴るか蹴るかして倒したんだろうけど…その倒した秒数を考えると、全員一撃、ということになる。
私よりもかなり大きく、良明よりも大きいはず。
そんな人たちを、一体どうやって…?
良明に抱き締められた状態で、ぼんやりと考える。
だけど答えは出なくて、その間に警官が来て男たちを連れて行った。
「少し話を聞きたいのですが、大丈夫ですか?」
優しそうなお巡りさんが私を見てる。
そこでようやく良明から離れ、小さく頷いた。
「ユウ兄、俺は後でいい?戻らなきゃ」
地面に残された袋。それを持ってお巡りさんに問う。
「いいけど、なるべく早く来ること。いいね?」
「わかってるよ」
ユウ兄、と呼ばれたお巡りさん。
もしかして良明のお兄さん…?
「おばさんたちには俺から連絡する。
嫌かもしれないけど、ちゃんと話してこいよ」
相変わらず優しい顔で笑う良明は私と警官を残し、行ってしまった。