幼なじみは年の差7歳【完全版】


「じゃあ僕らも行こうか」


歩き出すその後ろ姿に問う。


「…あの、良明の…お兄さんなんですか?」


だけどお巡りさんは笑いながら首を横に振った。


「まさか、違うよ。僕の名は榊原 裕也(サカキバラ ユウヤ)、あいつとはちょっとした知り合いでね」

「ちょっとした…?」


まさか良明、何か悪いことをして補導されたとか?
いくら良明でもそれは無いよね…。
だけど榊原さんは何も教えてくれず、そのまま歩き続けた。


…それから警察署で色々なことを話し、そうしているうちに伯母さんが来てくれた。
凄く心配そうな顔。だけど私は、旅館や海の家の方が心配だった。


(私が抜けちゃって大変だったよね…大丈夫だったかな?)


色々な手続きを済ませて警察署を出、それからタクシーに乗り旅館まで戻る。


「何も無くて良かったわー。良明くんが助けてくれなかったらどうなってたことか…。
ごめんね、誰かと一緒に行かせるべきだったね」

「ううん、私は大丈夫。
私こそごめんね…帰ったら仕事手伝うから」

「いいのよ、今日はゆっくり休んで?
色々、怖かったでしょう?」


伯母さんの気持ちは嬉しい。だけど…みんなが働いてるのに私だけ休んでいるなんてこと、出来ない。


「麻実ちゃん。いつもしっかり手伝ってもらってほんとに助かってるんだよ。
だからね、今日くらいはゆっくり休みなさい。
こっちは大丈夫だから」


そんな風に笑顔で言われたら、頷くことしか出来なかった。
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