幼なじみは年の差7歳【完全版】
「俺が“あの子はお前だったんだ”って気付いたのは、前にお前が泣きそうな顔した時。
お前は俺を見て何も思い出さない?俺が言った言葉も思い出さない?」
良明が言った言葉。
私が泣きそうな顔をした、時…。
「…私が、財布を無くした日…?」
「…ちげーよ馬鹿」
「だって、他に泣きそうな顔なんてしてないもん」
高校に入学してから私がそんな顔をしたのは、多分その日だけ…。
良明は、その前のことを言ってるの…?
私たちが、まだ高校に入学する前のこと…?
「…“受かったら二人で遊びに行こう。
俺なんかじゃ嫌かもしれないけど、俺はそのつもりで試験に望む”」
良明の言葉が、表情が、私の記憶を呼び覚ます。