幼なじみは年の差7歳【完全版】
…大丈夫。
何を根拠に私はそう言ったんだろう?
自分自身よくわからないけれど、それでも「大丈夫」と私は言った。
「…とにかく、暑いから行こ。美和に会う前に倒れたら嫌だもん」
「…そう、だな」
お互いぎこちない笑顔だけど、それでも手は握ったまま道を進む。
ゆっくりと、だけど確実に美和の家を目指す。
そしてその家が見えた時、私は静かに良明の手を離した。
その時、良明は一瞬立ち止まり…それからまた静かに歩き出す。
その“一瞬”に何を思ったかはわからないけれど、良明は何も言わなかった。
何も言わないまま歩き、そして美和の家に着くとすぐに呼び鈴を鳴らした。
なんとなく髪の毛や服装を整え、小さく息を吐く。
「久しぶり」
と、ドアが開くと同時に美和が柔らかな笑顔を見せた。