幼なじみは年の差7歳【完全版】
キョロキョロと辺りを見回すけれど…知らない人たちが次から次へとやってくるだけで、二人の姿は無かった。
「…どうしよう?電話してみる?」
二人が居なくなった。それに気付いた瞬間、不安が体を襲う。
…久々に来た遊園地は、私の記憶の中とはだいぶ違う。だから余計、不安が募る。
「…ねぇ美和、俺と二人は嫌?」
「え?嫌じゃない、けれど…」
答えを聞いた冬馬兄ちゃんがふっと笑い、私の手を引いて歩き出す。
「じゃあ俺たちだけで行こう。
気を利かせてくれたんだと思うよ、きっと」
…そうなのかな?
でも、急に居なくなっちゃうなんてちょっとショック。
それならそうと言ってくれたらいいのになぁ…。
「後でメールすれば大丈夫だよ」
…冬馬兄ちゃんが笑うから私も笑う。
不安はまだ消えないけれど、今はただ、冬馬兄ちゃんと一緒に歩くことにした。
――……。