幼なじみは年の差7歳【完全版】


――……。


人気のあるアトラクションはやっぱり待ち時間が長い。
それでも、冬馬兄ちゃんと手を繋いで話をする時間、それが楽しい。

カップルや家族連れ、周りの人たちも楽しそうに笑ってる。
遊園地は、みんなが幸せそうな顔をする場所。


久しぶりに会って話した冬馬兄ちゃんは前と変わらない。
私を心配そうに見る目や、優しい笑顔。
全部、私が好きな顔。

過去のことなんて、気にしなくてもいいことなんだ。
今までだってずっと冬馬兄ちゃんのことが大好きだった。
今も私は、冬馬兄ちゃんが好き。


「…やっぱり好き」


呟いた言葉は人混みの中に消えていき、冬馬兄ちゃんは私を見て首を傾げた。


「ううん、なんでもない。なんでもないの」


過去は過去。今は今。
今、お互いのことが好きならそれでいい。

少し強く手を握り、冬馬兄ちゃんを見て微笑んだ。
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