幼なじみは年の差7歳【完全版】


……。


その後、冬馬兄ちゃんへのプレゼントとして名刺入れとネクタイを買った。
冬馬兄ちゃんは嬉しそうな顔をして私の頭を撫でる。
少し恥ずかしかったけど…私も笑顔で冬馬兄ちゃんを見た。


「さて。次は俺がプレゼントする番だね。おいで」


そう言って私の手を引いて歩き出し、アクセサリーショップに入る。
…普段は入らないような立派なお店。少し緊張しながら中を歩く。


「ユッコさん、こんにちは」

「あれ、藤崎くん?久しぶりだねーいらっしゃい!」


…けど、冬馬兄ちゃんは近くに居た女性に声をかけて笑った。
冬馬兄ちゃんの、知り合いの人…なんだよね。


「あ、彼女へのプレゼント?」

「そう。誕生日プレゼントなんだけど、何か出してもらっていい?」


私を見た女性は優しい笑顔で商品を出していく。


「ユッコさんは職場の先輩だった人。
今は結婚して、オーナー夫人」


そう説明しているうちに目の前にはたくさんのネックレスや指輪が並んでいく。


「あなた美和ちゃんでしょう?
藤崎くんからずっと話聞いてたんだよ。
好きなら好きって言っちゃえばいいのに、藤崎くんって変なとこ頑固だよねぇ。
まぁ、上手く行ったみたいだから良かったけどね。
美和ちゃんは8月生まれかな?それならこれはどうだろう」


そう言って出したハートネックレス。
その真ん中に淡いグリーンの宝石がついている。
< 200 / 278 >

この作品をシェア

pagetop