幼なじみは年の差7歳【完全版】
「ペリドットって言って、8月の誕生石だよ」
…凄く綺麗。
それを見ているだけで自然と笑顔になれる。
「それにしようか?」
冬馬兄ちゃんに声をかけられるけど…素直に「うん」とは言えない。
(やっぱり…凄く高い…)
高校生の私には不釣り合いな品物。それがわかった。
「凄く素敵だけど、全部綺麗だから迷っちゃうね」
そう言って色々な物を見て回るけど、やっぱり最初のハートネックレスが気になる。
ペリドット…って言ったっけ。
他にもその宝石がついた物はあったけど、あのネックレスについたあの宝石が凄く気になる。
「ネックレス、気になる?」
「…うん、でも…正直、高くてビックリした」
「あー確かに。でもここは上質のを扱ってるから、相応と言えばそうだからね」
ユッコさんには聞こえないよう小さな声で話す私に冬馬兄ちゃんは笑った。
「宝石との相性ってのがあってね、“これだ!”って思う物を持つといいんだって。
俺もね、あれが一番美和に似合うと思ってる」
「…でも…」
「美和はさ、俺からのプレゼントじゃ嫌?」
…ううん、嫌なわけがない。
だけど冬馬兄ちゃんに負担をかけるって思うと凄くツラくなる…。
「俺は美和にプレゼント出来ることを誇りに思うよ」
微笑んだ冬馬兄ちゃんは私の頭を撫で、それからユッコさんのところへ言ってあのネックレスを購入した。