幼なじみは年の差7歳【完全版】
ファミレスから出る予定だった私たちは、結局そのままそこで良明くんからの返事を待つことにした。
その間、冬馬兄ちゃんは口元に手をやり何かを考えている。
それから私を見て、少し怒ったような顔をした。
「良明くんの家に上がったなんて聞いてない」
「え、あ…あのね、一緒に夏休みの宿題をした日!
あの日ね、麻実ちゃんと一緒に良明くんの家に行ったの」
その後に良明くんと二人きりだったことは…言わないでおこう…。
別に何かがあったわけじゃないけど、男の子と二人で居た話なんて聞きたくないだろうし…。
「…良明くんと今でも仲が良いのはいいけど、ちょっと嫉妬しちゃうな」
「ご、ごめん…ね?」
相変わらず怒ったような顔の冬馬兄ちゃん。
その時、テーブルに置いていた携帯が振動する。
背面ディスプレイに映し出された良明くんの名前、それを確認してから手に取る。
【 九条先輩と会ったの?
先輩は結構良いとこのお嬢様みたいだけど詳しくは知らないなぁ。
で、先輩と何かあった? 】
良明くんは、九条さんがお嬢様ということ以外はわからないみたい。
お互いの深くまでを知ろうとしない集まりって言ってたし、仕方ないか…。
とりあえず、学校で話すよと返事をしておいた。
良明くんは、そんな私に言う。
【 もし先輩と何かあったらすぐ言って?
みんな気付いてないけど、先輩は凄く冷たい目をする。 】
私を心配するその言葉は、逆に私の心を不安へと向かわせる。
(…写真では優しそうに笑っていたのに…?)
…冬馬兄ちゃんと私に頭を下げた九条さんは優しそうに笑ってた。
だけどそれは、ホンモノではないの…?
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