幼なじみは年の差7歳【完全版】
――……。
数日後。
テスト最終日の放課後、みんなが居なくなるのを待って麻実ちゃんと話す。
「麻実ちゃん、すっごく遅くなったけど、これ誕生日のプレゼント」
「あーありがと。
私も、ほんとは遊園地に行った日に渡そうと思ったんだけど…。
こっちは美和に。で、こっちは冬馬さんに渡しといて」
お互いの誕生日プレゼントを交換して、それから話し出す。
「あの日さ、美和たちを二人にしたでしょう?
で、私たちも二人で居たんだけど…私ね、中学の同級生に会ったんだ。
もう二度と会いたくなかった人だったから、なんかツラくなっちゃって。
それで少し早く遊園地を出たんだ」
「そう、だったんだ…」
今も少しツラそうに話す麻実ちゃんは、ペットボトルの紅茶を飲んだ後にどこか遠くを見た。
「その後、良明とカラオケに行ったんだけど…あいつの気持ちね、全部わかった。
私がいくら好きで居ても、あいつは私を友達以上には思わない」
「…そっか」
良明くん…私に言った「麻実ちゃんを思う気持ち」をそのまま話したんだ…。
だから麻実ちゃんは寂しそうな顔してる。
「もういいんだ。あいつより良い人はいっぱい居るもん」
そう笑った時、誰かが教室のドアを開けた。
反射的にそっちを見たら、目が合った。
「テスト、お疲れさん」
良明くんが爽やかな笑顔を見せた。