幼なじみは年の差7歳【完全版】
遊園地に行った日のこと…麻実ちゃんと話したことなんて気にしていないような顔。
だから麻実ちゃんも、普通の顔で紅茶を飲んだ。
「この前の話、九条先輩のことだけど。
先輩と何かあったの?」
そういえば、学校で話すって言ってたっけ…。
「なんかね、二人で出かけてた時に会って…冬馬兄ちゃんとメアド交換したみたい。
ちょうど私は席を外していたから詳しくは知らないけど。
冬馬兄ちゃんは私の知り合いなら断るのはどうかなぁって思ったから交換しちゃったんだって」
「で、知り合いじゃないって知った今はどうしたの?」
「…メールの返事はするって言ってた。
“メールを続けることは出来ない”ってことを説明するからって」
その後…冬馬兄ちゃんからは何も聞いていない。
多分、まだ連絡を取っている…。
私に心配をかけないようにと黙っているのだと思う。
「ねぇ、ちょっと。九条先輩って?なんの話をしてるの?」
麻実ちゃんが私と良明くんの顔を交互に見る。
だから良明くんは携帯を開いて麻実ちゃんに手渡す。
「俺の知り合い」
それだけを言って、良明くんは空いてる席に腰掛けた。