幼なじみは年の差7歳【完全版】
「どういう意味?良明くんは悪くないでしょ?」
良明くんが悪いわけがない。
確かに九条さんは良明くんの知り合いだけど…それとこれとは関係ないはずだよね…。
「んー…なんて言えばいいかな。
俺と知り合ってから色々なことが起きてるから…俺がトラブルを引き起こしてるのかなぁ、とか思ったわけ。
まぁ…元カノのことは100パーセント俺が悪かったけど。
でもさ、なんか次から次へと起きてるから、俺のせいかなぁって」
苦笑しながら言う良明くんに、麻実ちゃんがポツリと言った。
「…私が夏休みに男たちに襲われそうになったのも、遊園地で彼に会ったのも、良明のせいかもしれないね」
「………」
良明くんは黙ったまま麻実ちゃんを見つめ、その視線が私に向いた時に言葉を発した。
「…とりあえず帰ろうか。
テストも終わったことだし、どっかで遊んでく?
カラ、オケ…とか」
…なんだか妙な空気が流れてる。
良明くんはまた麻実ちゃんを見て、麻実ちゃんもまた良明くんを見た。
「…私はパス」
それだけを言って立ち上がる。
それから私たちを見て、手を振って歩き出す。
「美和のことお願いね。
美和に変なことしたら私が許さないから」
言葉を言い終わったのと同時に、麻実ちゃんはドアを閉めて行ってしまった。
良明くんと二人きりの教室で、良明くんはため息をついた。