幼なじみは年の差7歳【完全版】
「…ねぇ、良明くん」
「ん?」
「男の人って、みんな頭を撫でるのが好きなの?」
…冬馬兄ちゃんはよく私を撫でるし、良明くんも私の頭を撫でる。
男の人って、みんなそうなのかなぁって思ってしまった。
「藪から棒だねぇ」
「ごめんごめん。ちょっと気になっちゃって」
良明くんは苦笑しながら言葉を繋げる。
「撫でたいって思う瞬間がある。だからつい撫でちゃうんだよ。
俺はそうだけど、冬馬さんがどう思ってるかはわからないなぁ」
冬馬兄ちゃんの名前を出していないのに良明くんはそう言って笑う。
まぁ、「男の人って、みんな」って聞いたからそうだと思ったんだろうけど。
「でも、好きだから撫でるんだろうね。
好きでもない奴を撫でるなんてしないじゃん?
何か理由があるなら別だけどさ」
…確かにそうかも。
好きだから触れたくなるんだよね、きっと。
「…ねぇねぇ、じゃあ逆に撫でられるのはどう思う?」
「んー?難しい質問だねぇ。
俺、撫でられたこと無いもん」
そう言いながらふと、私の前で立ち止まる。
その姿勢はまるで「撫でてみて」と言っているかのよう。
「撫でてみて」
…と、実際に言われてしまった。
でも、だからって良明くんのことを撫でるなんて…簡単には出来ないよね…。
だけど良明くんはニコニコしたままそこに居る。だから私は、ゆっくりと良明くんの頭を撫でてみることにした。
「なんか、ちょっと恥ずかしいね」
そう言う良明くんの髪は、ふんわりとしていて、微かにシャンプーの匂いがした。