幼なじみは年の差7歳【完全版】
綺麗に染められた茶色い髪は、ふんわりと柔らかくていつまでも撫でていたいと思ってしまう。
「凄く、柔らかいね」
「そう?結構パサついてると思うけど」
「ううん、そんなことないよ」
本当に、柔らかくて綺麗な髪。
私の方がパサついてる感じだからちょっと羨ましい…。
「いいなぁ。綺麗な髪って羨ましいよ」
いつまでもいつまでも撫でていたくなる。
だけど、ずっと触っていたら変に思われそうだったから手を離した。
「ごめんね、急に変な話しちゃって」
「ううん、平気」
姿勢を戻した良明くんが笑いながら言葉を続ける。
「なんか恥ずかしい感じだったけど、俺は撫でられるの嫌いじゃないよ。
あったかくて、凄く気持ち良かった」
優しい顔で答えてくれた良明くんは歩き出し、それに遅れないようにと私も歩き、隣に並ぶ。
「でも、やっぱり撫でる側の方がいいなぁ。
その方が凄く楽」
靴を履き替える時、そんな風に苦笑した顔がどこか印象的だった。
…二人で並んで帰る。それは、付き合ってた時以来。
その時は途中まで一緒で、後は一人で家に帰っていたけれど…今は家の前まで良明くんが一緒に居てくれる。
「ごめんね、迷惑かけちゃって」
そう言う私に良明くんは「大丈夫だよ」と笑うだけだった。