幼なじみは年の差7歳【完全版】
11、モノ
――……。
私と麻実ちゃん、そして良明くん。
放課後の教室で、いつものように話していた私たちだったけど、いつもよりもだいぶ遅くなってしまった。
麻実ちゃんを家まで送った後、もうすっかり慣れた良明くんとの下校。
いつもより暗い道。良明くんに差し出された、手。
良明くんの手を握りながら歩く私。
そんな時、突然体が後ろに引かれ、次の瞬間。
良明くんの体が誰かの拳によって飛ばされる。
突然のことに良明くんは動けなくなり、そのまま引きずられていく。
私も、引きずられるようにして公園へと入った。
…その公園は、端から端まで見渡せるような狭い公園ではなくて、森の中に少し遊べるスペースが出来たような緑地公園。
明るいうちなら子供たちが楽しそうに遊び、ジョギングをする人や犬の散歩をする人などがたくさん居る。
だけど、暗くなればところどころにある外灯が僅かに照らすだけの寂しい場所。
人の気配など全く無いその場所に連れてこられたのだ。
「良明くんっ…」
男二人に体を掴まれて動けない私が見たのは、まるでゴミのように外灯の下へと投げ捨てられた良明くんの体。
そして、口元から流れる血を拭う冷たい瞳。