幼なじみは年の差7歳【完全版】
【冬馬side】
――……。
九条さんが住む、オートロック付きのマンション。
良明くんに聞いた部屋のインターホンを鳴らす。
「…藤崎ですが」
『今、開けますね』
…とても穏やかな声。
美和は、本当にここに居るのか…?
わからないまま進み、エレベーターで彼女が住む階まで上がる。
そして部屋のインターホンを押す。と、すぐに九条さんが顔を出し、俺の体を抱き締めた。
「来てくれるって、思ってました」
やっぱり穏やかな声。
だから俺も、静かに問う。
「美和が、来てると思いますが」
「えぇ…来てますよ。どうぞ」
美和の名を出した時、空気がピンとする。
そのまま広い部屋へと案内されるけど…中は薄暗い。
「少し待ってくださいね」
「え、ちょっ…」
…カチャリという小さな音。後ろ手に手錠をかけられ、何かに固定され身動きが取れなくなる。
そして電気が点いた時、床に倒れる美和を見つけた。