幼なじみは年の差7歳【完全版】


…美和。
彼女を刺激しちゃダメだ。


「…美和ちゃん、私の邪魔をするの?
言ったよね?欲しい物は全部手に入れてきたって。
それを邪魔したらどうなるかわかってるの?」


頼むから。
美和、逃げてくれ。


「冬馬さんは私の物なの。
あなたなんて必要ない。
だからほら、“はい”って返事して部屋から出て行って」


彼女に従って、今すぐ部屋を出て行ってくれ。
頼むから。


「………。
冬馬兄ちゃん、ワガママでごめんね」


美和が俺を見て笑う。
それから彼女の方に向き直り、決意した目で言葉を繋げた。


「冬馬兄ちゃんは物なんかじゃない。
私の大切な人なの。
だから、あなたの好きにはさせない」


美和っ…。


「このッ…――!!」


高く振り上げられた腕。
その先に光るナイフが、勢いよく振り下ろされた。




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