幼なじみは年の差7歳【完全版】
………。
とにかく、どうなるかはわからないけれど先に進まなくてはいけない。
「…良明くんの知り合いには俺から連絡する。構わない?」
「はい」
通話ボタンを押せば知り合いの警察官へとかかる状態の携帯を預かり、部屋を出る。
美和たちに簡単な説明をし、それから電話をする。
――……。
『…あいつはトラブルを呼び寄せる天才だよ…』
電話の主、榊原 裕也さんがため息混じりに呟いた。
『そちらに人を向かわせるんで、到着まで待っていただけますか』
「…えぇ、勿論」
その言葉の通り、20分後に警察官3名が到着する。
九条さんの両親に連絡を取り、ことの説明をすると…慌てた様子ですぐに両親が到着し、
「申し訳ございません」
と、玄関で土下座する両親。彼らを見、九条さんは涙を浮かべた。
…結局、美和が九条さんを許したことで和解が成立したことになり、良明くんへ対する傷害事件は「別件」として扱われることとなる。
「署で何度か話を聞くことになると思いますが」
「それは俺に対する傷害でってことですか?」
「えぇ、そちらの件で」
良明くんは少しめんどくさそうに返事をしてから九条さんを見た。
「で、こっちはコレで終わりってことになるんですか?」
「うーん、和解という形ならそうなりますね。
あぁでも、一応署での手続きがあるんで一回来てもらった方がいいかな」
「あぁ…ですよね」
どこか、慣れたように話す良明くんはふと俺を見て笑う。
その笑みが何を意味してるのかはわからなかったけど、なんとなく俺も笑顔を返す。
…その日、俺と美和、そして九条さんとその両親は警察署へ向かい、正式な手続きを済ませ和解となった。
そしてその足で俺と美和の家へ来て謝罪、決して安くはない示談金がその数日後に振り込まれ、事件は収束した。
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