幼なじみは年の差7歳【完全版】
「…て言うか、時間かかりすぎじゃない?
今更?って気分」
「仕方ないだろ、彼らの供述と被害者を照合したり、時間がかかるんだよ。
数年に渡ってる事件だし、ほとんどの人は泣き寝入りしてるのが現状だからなかなか進展しないんだよ」
そんなんだから「警察は何やってるんだ」って言われるんだよ…と言おうと思ったけど、やめることにした。
「…とにかく、後日連絡が行くと思いますのでよろしくお願いします」
麻実に頭を下げ、俺にも頭を下げた。
「さて。家まで送るよ」
「いやいやいや、歩いて帰れるって。
つーかそのつもりでユウ兄に連絡したのに。
こっちに来るなんて聞いてないよ」
…そう、元々ユウ兄を呼ぶつもりなんてなかった。
適当に話して、歩いて帰るつもりだったのに。
「お前な、被害者を…しかも未成年を、だ。
そのまま帰す馬鹿がどこに居るんだ?
さっきの警察官だって、俺か保護者が来るまで一緒に居るつもりだったよ」
「…いや、上手くすり抜ければ」
「無理」
…いつも穏やかなユウ兄が怒ったような顔でため息をついた。
「いいかい、今まではのらりくらりとやっても大丈夫だったかもしれないけど、今回はダメだよ。
その怪我は医者に行って診断書を貰わなくちゃいけないし、現場でも話を聞かなくちゃいけない。
やることはいっぱいあるんだから、逃げちゃダメだよ」
…わかってるけどさ。
今日はもう、放っといてほしいんだよ。
でもユウ兄は引かない。だから仕方なく、ユウ兄の車に乗った。